こんにちは。
けんしょう門真鍼灸整骨院の分部です。
本日も当院ウェブサイト、当ブログにアクセス頂きありがとうございます。
今回はタイトルにあるように、肩に痛みを感じ、病院では半年はかかるね…
と、伝えられてから当院に来ていただいた患者様(以下、Aさん)
との内容をもとに五十肩について解説していきます。
◉いつからか違和感は感じていた!?
Aさん初めまして、こんにちは。
本日はどのようなご症状でお悩みですか?
以前から右肩に違和感は感じていたのですが…
2週間ほど前に床にあるガスの元栓を
体をひねりながら腕を伸ばして辛い体勢で元栓を開けた際に
右肩に痛みが走りました。
その後、数日したら痛みは落ち着いていくだろうと
様子を見ていましたが、改善しないので病院受診をしたら、
いわゆる『五十肩ですね…』
『痛みが落ち着くまで半年ほどかな…』
と、言われました。
詳細をありがとうございます。
次に生活で痛む動作や姿勢はありますか?
腕を下ろしている時は痛みは感じません。
万歳をするような姿勢や
腕を後ろに回すような動作をすると
右肩が詰まるような感じになり、
肩の前側や後側などに痛みを感じます。
具体的に言うと…
洗濯を干すとき
髪の毛を洗うとき
エプロンの紐を後ろで結ぶときが辛いです。
常時痛みがあるわけではないのですね。
ちなみに夜就寝時は痛みは感じませんか?
入眠時は大丈夫ですが、
眠りについて、寝返りを打つと痛みで目が覚めることはあります。
ありがとうございます。
ではお身体の状態を確認しますね。
と、言う流れで日常生活での状況を伺いました。
ポイントを箇条書きにします。
①以前から右肩に違和感はあった
②病院では痛みが治るまでに半年はかかると言われた
③特定の動作で痛みを感じる
④就寝時にも痛みを感じる
①以前から違和感はあった
この方のように五十肩は強い痛みを感じる前に違和感を感じている方は少なくありません。
なぜなら、五十肩は肩の関節がスムーズに動かなくなる事で起こる体の異変だからです。
体としては『関節がスムーズに動かなくなってきているから、このまま同じ使い方で無理をしていると何か起きるよー』
と、違和感で教えてくれているのです。
この違和感の時期に対策出来ると激痛は防げるかもしれませんね。
②病院では痛みが治まるまで半年かかると言われた
これに関しては症状・状態に個人差があるので一概には言えませんが…
病院では多くの方が治療に時間を要しているために言われたのだと考えられます。
また、五十肩には病期と言って状態の経過を示すものがあります。
下記の表をご覧ください
と、言ったように病期があります。
ちなみに慢性期から回復期は個人差が結構あります。
今回の方が病院で言われた、『半年かかるよ』
は、慢性期から回復期をさしているのかもしれませんね。
ただ、お体に必要な施術をすれば、スムーズに落ち着いていくケースもあります。
決して諦めないでくださいね。
③特定の動作で痛みを感じる
五十肩で多い症状は
・服を着替える時に痛む
・洗濯物を干す時に痛む
・エプロンの紐を結ぶ時が痛い
・シャンプー、歯磨きの時に腕を上げていられない
など、腕を上や横に上げる動作や腕を背中に回す動作になります。
なので上記の症状が現れ出したら五十肩怪しいかも…
と考えてもらっていいです。
④就寝時にも痛みを感じる
こう聞くと、五十肩って腕が上がらないだけじゃないの?
と、思ってる方にとってはショックな一文ですよね。
痛みが強く、関節周囲に炎症症状が起きている場合や
肩の可動域が狭くなっている方は就寝時の横になっている姿勢が関節の中の圧力の変化により痛みを感じるケースもあります。
就寝時に肩が痛み出しても怪しいなと思ってください。
<ここで③と④で動作や関節内圧で痛みを感じる理由を簡単に…>
下のイラストをご覧ください
・イラストにある棘上筋(関節を守り・スムーズに動かす為のインナーマッスル)などの腱(骨にくっつく部分)が、
先ほども書いたようにスムーズさが失われる事で血行不良などにより退行性変化
(本来の機能が低下したり、形が変わっていくこと)が起こることで炎症症状が起きやすい状態となります。
それが肩峰下滑液包の炎症となって発症します。(諸説あります)
→先ほどの炎症期ですね
・で、痛みにより関節が動かせない状態が続くと、この肩峰下滑液包が癒着を起こしやすくなり、
治癒までに時間がかかる場合があります。
→先ほどの慢性期ですね
・でで、この関節が固まった状態になると、イラストにもある関節包(関節を包む袋)が縮んで固くなり余計に関節が動かせなくなります。
こうなると関節の中は小宇宙と言われたりしますが(初耳の方多いですよね笑)、
いわゆる真空状態なので、関節包がパツパツになっているとちょっとした動きで痛みを感じたりしてしまいます。
→夜間痛ですね
という流れで五十肩は進行していきます汗
◉ではなぜ肩の関節に炎症が起きたのか?
〜痛む部分以外にも要因がある?〜
今回の患者様のお身体の状態は…
・万歳動作
・結帯動作(読んで字の如く、帯を結ぶように腕を腰に回す動作)
で右肩の関節部に痛みがありました。
痛む動き以外で身体の状態で気になったことは、
①背骨・肋骨の動き
②右肩の前への捻れ
です。
①について
肩周りに症状がある方は、背骨や肋骨の動きがスムーズに動かない方が多くおられます。
この方の状態は、
姿勢を良くしようと注意するあまり背中が緊張しすぎて、背骨・肋骨の動きにしなやかさが失われていました。
②について
みなさん利き腕はありますよね?
人間は手や足を器用に使えますが、特に器用に使えるのは左右どちらかに偏っている方が多いと思います。
その利き腕や利き足からくる身体の使い方の癖が体をよじらせ・捻らせ、する事で
肩の関節にもひずみが起きるのです。
この現象は大なり小なりみなさん起こる事なので仕方ないところがありますが、
家事や仕事で偏った使い方が続くと関節部にストレスがかかり、
いよいよ限界が来ると耐えきれなくなり、激痛が現れるのです汗
と、言うことで痛みが強く感じる場所(今回は肩ですね)
にだけ問題があるケースは稀です。
稀と言うより、事故や何かにぶつけたなどの外的な要因が無ければ、
ほとんどの場合は体の中から起こる現象だと覚えておいてください。
毎日真面目に頑張っている方ほど体を酷使して、痛みと言う名の悲鳴を体はあげているのだと考えてください。
ちなみに…
今回の患者様は初診から回を重ねるごとに肩の動きと痛みは改善されています。
この方は5回の来院で痛みは落ち着きました。(症状に個人差がありますので参考までにしてください)
炎症症状が強い方・動きの制限が強い方は落ち着くまでに時間がかかる場合があります。
今回は五十肩でもよくみられる症状を例に体にどんなことが起きているかを解説いたしました。
次回は、五十肩になった際にご自宅で行えるストレッチ・運動をお伝えします。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
※尚、ご相談やご質問は当院LINE・電話で承ります。